大切な年賀状
リビングハウス立川店 店員Y

その電話がかかってきたのは、何でもない平日の午後のことで した。「家具を買いたいんですが、どう選べばいいかわからな くて…。そんな相談にも乗っていただけますか?」 60代とおぼしき男性の声は、少し遠慮がちでした。もちろんで す、とお答えしながら、私はこうご提案しました。 「お部屋により合ったご提案ができるよう、もしよければご自 宅の床や家具の色味がわかるものをお持ちいただけますか。写 真でも大丈夫ですよ」 コンテンツの グランドカラー はホワイト 来店当日、ご夫婦は仲良く並んでご来店くださいました。そし てご主人の手には、なんと——ご自宅のTVボードから外してき た引き出しそのものが握られていたのです。 写真でもよかったはずなのに。それでも引き出しを持ってきて くださったその行動に、私は胸を打たれました。「本当に納得 できる家具を選びたい」という真剣な想いと、私への期待がひ しひしと伝わってきたのでした。 「せっかく家具を買うなら、本当に満足できるものを選びたく て」奥様がそっとおっしゃったその言葉が、すべてを物語って いるようでした。 ご成約までに、お二人は3回ご来店くださいました。私はその 間ずっと、ある気持ちを心がけていました。自分の祖父母に提 案するような気持ちで、ということです。 良いものは正直におすすめしました。でも、このお二人のライ フスタイルには合わないと感じたものについては、はっきりと こうお伝えすることもありました。 「これはやめましょう」売上よりも、このご夫婦に本当に必要 かどうかを大切にしたかったのです。ただ、それだけでした。 納品が終わってしばらくすると、奥様から写真が届きました。 新しいダイニングセットを 嬉しそうに使っていらっしゃる姿でした。そしてその年の年 末、また連絡が届きました。年賀状の画像でした。そこにはこ う書かれていました。 「立川店 Yさんコーディネートのダイニングセットです!」 自分の名前が、見知らぬ誰かへ送られる年賀状に載っている。 その事実が、じわじわと心に沁みてきました。 リビングハウスには60代以上のお客様がそれほど多いわけでは ないかもしれません。でもこの出来事を通して、年齢に関係な く「暮らしをもっと良くしたい」「本当に気に入ったものを使 いたい」と思っていらっしゃる方は必ずいる、ということを改 めて感じました。 小手先の知識やスキルだけでは届かないものがあります。お客 様の暮らしを想像しながら、誠実に向き合うこと。あの引き出 しを大事そうに抱えてご来店くださったご夫婦が、そのことを そっと教えてくださったような気がしています。 いただいた年賀状は、今も玄関のそばに飾ってあります。毎朝 出かける前にふと目に入るたびに、あのご夫婦のことを思い出 します。毎朝、ご夫婦に見送られながら今日もまた笑顔で頑張 りたいと思うのです。 リビングハウスとは、そういう物語が集まる場所なのだと思っ ています。 「立川店 Yさんコーディネー ト の ダ イ ニ ン グ セ ッ ト で す!」 自分の名前が、見知らぬ誰か へ送られる年賀状に載ってい る。その事実が、じわじわと 心に沁みてきました。 リビングハウスには60代以上 のお客様がそれほど多いわけ ではないかもしれません。でもこの出来事を通して、年齢に関 係なく「暮らしをもっと良くしたい」「本当に気に入ったもの を使いたい」と思っていらっしゃる方は必ずいる、ということ を改めて感じました。 小手先の知識やスキルだけでは届かないものがあります。お客 様の暮らしを想像しながら、誠実に向き合うこと。あの引き出 しを大事そうに抱えてご来店くださったご夫婦が、そのことを そっと教えてくださったような気がしています。 いただいた年賀状は、今も玄関のそばに飾ってあります。毎朝 出かける前にふと目に入るたびに、あのご夫婦のことを思い出 します。毎朝、ご夫婦に見送られながら今日もまた笑顔で頑張 りたいと思うのです。 リビングハウスとは、そういう物語が集まる場所なのだと思っ ています。